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2014年1月30日 (木)

ニンフNymph

●ニンフ
ニンフは正確にはニュムペーと発音する、ギリシア・ローマ神話の妖精たちです。美しい乙女の姿をしており、さまざまな場所、すなわち川や海、山、木、一定の場所、地方、町、国に棲んでいます。透き通った優美な衣装をつけているのが常で、美しい髪をギリシア風に束ね、頭に金の輪をはめた姿に描かれます。

彼女たちは多くの場合、神々に仕え、その周りで楽器や歌を披露しました。神の言葉を人間たちに伝えたり、神々を育てたりすることもあり、かのギリシア神話の最高神ゼウスなどもニンフに育てられました。神々と結婚して神を生むこともあり、ヘルメスはギリシア十二神の中でただひとり、ニンフを母親に持つ神です。

彼女たちは長い寿命を持っていますが、時に悲劇のヒロインとして、時に怪物に変えられる存在として、ギリシア・ローマ神話でははかない存在として描かれます。

個人名がついている者も多く、キュクロプスに愛されたガラティアや、木霊に変えられたエコー、ホメロスの「オデュッセイア」では魔女として登場するキルケー、月桂樹に変えられたタプネ、その他例を挙げるときりがありません。

特徴もそれぞれ違い、木々のニンフはすばしっこい足を持っており、海のニンフは人魚のように、下半身が魚のようになっています。さらに、泉のニンフは、予知能力を持っています。


●ニンフの名前
ニンフは棲む場所によって独特の名前がつけられています。

・海のニンフ→ネレイデスNereides(ネレウスの娘たち)、オケアニデスOkeanides(オケアノスの娘たち)
・池や泉のニンフ→ナイアデスNaiades
・山のニンフ→オレアデスOreades
・森のニンフ→アルセイデスAlseides
・木のニンフ→ドリュアデスDryades
・柏の木のニンフ→ハマドリュアデスHamadryades
・谷間のニンフ→ナパイアイNapaiai

この他に、アトランティデス(プレアデス)、ムーサイ(芸術の娘たち)、ヒュアデス(アトラスの7人の娘たち)などがいます。


●ニンフの寿命
彼女たちは神々や怪物と平気でつきあい、その世話を焼いたりすることから、女神と同一視する向きもありますが、神々とは決定的な差があります。それは、不死ではない、ということです。

彼女たちは対になるものを持っており、それが失われた段階で死んでしまいます。たとえば樹木のニンフだったら、その樹木が枯れたり、倒されたりしたところで死にます。
泉のニンフだったら、泉が枯れたところで死にます。町や国のニンフだったら、その町や国が滅んだところで死んでしまうわけです。他方、海のニンフは、海が不変である限りは永遠に生き続けることができます。

古代ギリシアの歴史家ヘシオドスによれば、ニンフは次のような寿命を持っているとされています。

・人間の一生×3=やかましい鳥
・やかましい鳥×9=鹿
・鹿×3=渡り鳥
・渡り鳥×9=シュロの木
・シュロの木×10=ニンフ

この計算によれば、ニンフの寿命は人間の7290倍ということになります。もちろん、あまり一般的な説ではありません。



●亜種・別名など
ニュムペー

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