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2014年7月 2日 (水)

アプロディテAphrodite

●美と愛の女神
アプロディテ(アプロディーテー)はギリシア神話の美と愛の女神です。ローマ神話ではウェヌス(ヴィーナス)に当たります。

彼女の生まれは諸説あり、ヘシオドスの説では、ゼウスの祖父ウラノスの切断された男根が海に落ち、泡立って、そこから生まれたとされています。
生まれた彼女は西風のゼピュロスによってキュテラ、次いでキプロス島に運ばれ、そこでホラ(季節の女神)たちがアプロディテを飾り服を着せて、神々のところに導きました(有名な絵画「ヴィーナスの誕生」はこちらをモチーフにしています)。
ホメロスの説ではゼウスとディオネの娘ということになっています。

いずれにしろ、ゼウスの娘あるいは養女としてオリュンポス12神に組み込まれ、のちに火と鍛冶の神ヘパイストス(別の説ではアレス)と結婚しました。
キューピッドの原形となった子供神エロス、テーバイの建設者カドモスの妻となったハルモニアの母でもあります。


●アプロディテ信仰
意外なことに、コリントスやスパルタなどでは、彼女はアテナのように甲冑をつけた姿で崇拝されていました。
アレスと結婚したという話も、そこから来ているのかも知れません。また、性愛の女神として、町の娼婦たちに崇拝されました。

この他に、海で生まれ、海で育ったという伝承から、航海の女神として崇拝されることもあったようです。

もともと、彼女は小アジアやオリエントなどで崇拝された、豊穣の女神だったと言われています。そこから、女神アスタルテ(悪魔アスタロトの原形)、オリエント神話の女神イシュタルと同一視されることもありました。


●黄金の林檎事件
彼女はその飛び抜けた美しさから、さまざまな神々・英雄と情を通じました。12神だけでもヘルメス、アレス、ヘパイストスと交わったと言われ、その他の神や英雄を含めると、どのくらいの人数と寝たか分からないほどです。
その美しさが災いして、戦争が起こったこともあります。「トロイの木馬」で有名な「トロイア戦争」がそれです。

ある日、不和の女神エリスが、ペレウスと女神ティティスの結婚式に招かれなかった恨みから、「最も美しい女神へ」と書いた黄金の林檎を、結婚式の会場に投げ込みました。
これを取ろうとしたのが、ヘラ、アテナ、そしてアプロディテの3人でした。3人は「自分のものだ」と主張して譲らないため、ゼウスは仕方なく、トロイアの王子パリスにその判断を委ねます。

ヘラは彼に、「一番にしてくれたら全アジアの王にしよう」と約束し、アテナは「私を選んだら、常に戦いに勝てるようにしよう」と言いました。
アプロディテは「最も美しい人間の娘をあなたにあげましょう」と告げ、パリスは果たして、アプロディテを一番に選び、見事人間の美女ヘレネを手に入れました。

これがきっかけで、アテナ・ヘラとアプロディテの仲は決裂し、アテナ・ヘラを崇拝するギリシア連合軍と、アプロディテ側のトロイア連合軍の戦いが始まります。



●亜種・別名など
アプロディーテー/アフロディテ/アフロディーテー/ウェヌス/ヴィーナス

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