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2014年7月 2日 (水)

アスプAsp

●不思議な蛇
アスプは1世紀の著述家プリニウスの「博物誌」で紹介された、不思議な蛇です。
非常に敏捷で、その身体をまっすぐ伸ばすことはなく、飛んでいるように進みます。また、その吐く息とまなざしには猛毒があり、目を合わせてしまうと、その人間はたちまち死んでしまうとされました。

この怪蛇は主にエジプトに産し、エジプト人はこの蛇を操る呪文を知っていると言います。面白いことに、その呪文を唱えると、この蛇は片耳を地面に押し当て、もう片方の耳に尾を入れて、呪文を聞かないようにするというのです。

また、プリニウスは「動物誌」の中で、この蛇がつがいで暮らしていることに言及しており、もしどちらか一方が殺されると、もう一方はその敵を執拗に追い立て、どこまでも攻撃するということです。それを避けるためには、川に逃げ込むか、非常に早い逃走が必要とされました。


●中世のアスプ
中世の動物誌にも、しばしばアスプは「アスピス」の名で登場します。なぜか蛇ではなく、ドラゴンの一種とされ、大きさが60センチほどしかありません。しかし、その皮膚には猛毒があり、触るだけで生命にかかわり、噛まれれば即死します。
この小さなドラゴンは音楽に弱く、誰かが奏でると、エジプトのアスプよろしく、片耳を地面に押し当て、もう一方の片耳に尾を入れて聞かないようにするということです。

このような姿から、アスプ(アスピス)はしばしば神の言葉を聞こうとしない「罪人」の象徴と考えられました。



●亜種・別名など
アスピス/アスピセス

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