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2014年7月 2日 (水)

アストミAstomi

●博物誌の怪人種
アストミは、1世紀のローマの著述家プリニウスの「博物誌」で紹介されている怪人種です。

彼らには口がなく、身体中が毛に覆われ、生綿をまとって、飲み食いすることなく、ただ空気と、鼻を通じて吸い込む根や花、野性の林檎などのさまざまな香気を吸い込んで生きています。
長い旅をする時は、その香気が途切れないように、荷物に香気のもとを仕込むとも言われています。ちなみに、香気が生命の彼らは、臭いに敏感で、悪臭を嗅ぐとたちまち死んでしまうともされています。

彼らの名アストミは、「口なし」を意味するギリシア語から来ています。


●口なしの人びと
アストミは「大足」のスキアポデスと同じく、「未開」の人びとを象徴するものとして、盛んにさまざまな博物誌・旅行記などに採用されました。
たとえば、中世のベストセラー、マンデヴィルの「東方旅行記」には、アストミらしい怪人種の記述があります。

それによれば、ジャワ島付近に、口と舌がない代わりに小さな穴があって、そこから食物をすする人種がいるのだそうです。
彼らは背が低く、言葉でコミュニケーションを取ることができないので、キャッキャッと叫んだり、手振りで合図をしあって意思の疎通を図るとも言われています。

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