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2014年7月 3日 (木)

ケルビムCherubim

●上級第二位の天使
ケルビムは上級第一位~下級第三位の九階級に分かれている天使の中で、上級第二位に位置する天使たちです。指揮官はヨフィエルとされています。

キリスト教教義においては「智天使」の名前が与えられ、「創世記」では楽園(エデンの園)の東門を守護し、あらゆる方向に向かう炎の剣(稲妻)を武器とし、「契約の箱」を守り、「詩編」では神の乗り物として、その台座を運びます。

その名前は「知識」もしくは「仲裁する者」を意味するヘブライ語に由来し、アッシリア(現在のシリア)では寺院や神殿の入り口を守る番人の役割を持ち、エジプトでは「夜空」「宗教の勤行」をつかさどるとされました。


●エゼキエル書の記述
ケルビムの姿は、預言者イザヤの幻視において、次のように詳しく描写されています。

「その中に何か四つの生きもののようなものが現れ、その姿はこうであった。彼らは何か人間のような姿をしていた。
彼らはおのおの四つの顔を持ち、四つの翼を持っていた。
その足はまっすぐで、足の裏は仔牛の足の裏のようであり、磨かれた青銅のように輝いていた。
その翼の下から人間の手が四方に出ていた。そして、その四つのものの顔と翼はは次のようであった。
彼らの翼は互いに連なり、彼らが進む時には向きを変えず、おのおの正面に向かってまっすぐ進んだ。
彼らの顔かたちは、人間の顔であり、四つとも、右側に獅子の顔があり、四つとも、左側に牛の顔があり、四つとも、うしろに鷲の顔があった。
(中略)
それらの生きもののようなものは、燃える炭のように見え、たいまつのように見え、それが生きものの間を行き来していた。火が輝き、その日から、いなずまが出ていた」(エゼキエル書1.5~13)。


●異形の天使
怪物に詳しい方ならば、この説明を聞いて、「まるでアスモデウス(悪魔)やか阿修羅のような姿ではないか」と思われたのではないでしょうか。実際、スフィンクスなどの怪物とケルビムを関連づける学者もいるようです。

同じエゼキエル書によれば、彼らの足には四つの車輪がついており、また、全身に目がついていて、絵画などでは二枚の翼を全面で交差させ、その翼に多くの目がついた姿で描かれます。

一般に天使は人間の姿に似ていると言われますが、ケルビムはそれに当てはまらない、まさに「異形の天使」とも言うべき存在なのです。


●紋章学におけるケルビム
ケルビムは紋章学において、「品位」や「栄誉」「高位」などを意味します。
中世末には、丸ぽちゃの小天使(プッティ)として、ミケランジェロをはじめとするルネサンス期の画家が好んで描くモチーフとなりました。

ちなみに、彼らの姿は、セラフィム(上級第一位の天使)が赤なので、天空の色、すなわち「青色」に塗られるのが普通です。

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