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2014年7月 3日 (木)

ダプネDaphne

●河のニンフ(妖精)
ダプネはギリシア神話に登場する女性です。その名はギリシア語で「月桂樹」を意味します。

河神ペネイオスの娘と言われ、その美しいことで知られていました。
もちろん、求婚者は引きも切りませんでしたし、親も結婚を勧めたのですが、彼女はアルテミスのように、仲間の乙女たちと狩りをする方を選びました。


●アポロンの求愛
ある日、彼女は突然アポロンに求愛されます。それは次のような理由からでした。美と愛の神アプロディテの息子、エロスの矢を、ある時アポロンが嘲笑したのです。

「おれの矢はどんなものでも貫ける。お前の持っている矢はどんなものが貫ける?」

この言葉に腹を立てたエロスは、2本の矢を用意し、1本をアポロンに、1本をたまたまそこにいたダプネに向けます。アポロンに向けた矢は黄金の鏃(やじり)がついたもので、どんな相手でも愛してしまうもの。
ダプネに向けた矢は鉛の鏃(やじり)がついたもので、あらゆる異性を嫌いになってしまうものでした。

果たして、エロスの矢はそれぞれを射貫き、アポロンはダプネにたちまち恋してしまいました。一方、ダプネの方は、求愛してくるアポロンに嫌悪感を感じ、逃げてしまいます。

追いかけ続けるアポロンに、逃げ続けるダプネ。しかし、女性の足では逃げ切ることができず、彼女は父に助けを懇願します。

「お父様、もし私を哀れと思うならば、いっそのこと木に変えてください」

ダプネがそう叫んだ時、アポロンがついに追いつきます。しかし、その美しい姿は、月桂樹の木に変わっていました。願いは叶えられたのです。
悲しみに沈んだアポロンは、ダプネへの愛のあかしとして、月桂樹を彼の木として、その葉で作った冠を頭にかぶることを決めます。


●ダプネ信仰
ダプネはもともと、ピニオス川(古代のペネウス川)が流れる北テッサリアの、テンペ渓谷で崇拝されていた血の女神だったと言われます。彼女の崇拝には、予言を得る道具として、月桂樹の乾燥葉が使われていました。

この地を征服したギリシア人は、やがてアポロン信仰を確立する際に、ダプネ(=月桂樹)をアポロンの恋人として設定し、月桂樹を彼の聖なる葉として取り入れました。



●亜種・別名など
ダプネー

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