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2014年7月 3日 (木)

エリュニスErinys

●蛇髪の女神
エリュニスは殺人など、自然の法に反した者へ復讐を行う女神です。
メデューサと同じように、蛇髪の姿を取り、またその容姿は黒い肌の老婆で、手首には蛇が巻き付いています。

目は膿み、息は腐臭を放っており、背中にはコウモリのような翼が生えています。
複数形ではエリュニエスと呼びます。ギリシアではエウメニデス(慈悲深き者)やセムナイ(尊い女神)と呼び、直接にエリュニス(怒れる者)の名前を使うことは避けられました。

ローマ神話の復讐の女神ディラエ、冥界の女神フリアイに当たります。
彼女たちは、ゼウスの父クロノスが、その父ウラノスの男根を切り取った時、大地にしたたった血から生まれ出でたとされています。


●正義と復讐の女神
彼女たちは古代の懲罰の概念が人格化したものと言われ、地上で正義に反して血を流した者には情け容赦なく罰を下しました。

絶えず怒っているアレクト(絶え間なき)、殺人の復讐者ティシポネ(復讐)、嫉妬深いメガイラ(恨み、不本意)の三姉妹で構成されていると言われ、罪を犯した者、特に肉親を殺したような者がいると執拗に追いかけ回し、狂気に陥れると言われます。


●オレステスとエリュニスたち
ギリシア神話では、エリュニスはオレステスのエピソードに出てきます。
オレステスは、ミュケナイ(ギリシア南部)の王アガメムノンの息子でしたが、母クリュタイムネストラによって父が暗殺された時、母を殺して冥界に落ちましたが、その時無数の蛇を頭から生やしたエリュニスたちにさんざん追いかけ回されたということです。



●亜種・別名など
エリュニエス

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