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2014年7月 3日 (木)

フェンリルFenrir

●巨大な狼
フェンリルはフェンリル狼、フェンリス、フローズルスヴィトニルの名でも呼ばれる、巨大で邪悪な狼です。
悪神ロキと海の女王アングルボダの間に生まれた最初の子で、あらゆるものをむさぼり食います。

最初は神々に囲まれて暮らしていましたが、やがて巨大になっていきます。その大きさは、上あごが天に届き、下あごが大地に届くと言われるほどでした。
そして、運命の女神ノルンの予言を受けて、ロキの子たちが自分たちにとって脅威になることを知った神々は、大蛇ヨルムンガンド、そしてフェンリルを追放ないし幽閉しようとします。

ヨルムンガンドはアースガルドの海の深淵に投げ込まれましたが、フェンリルはまだアース神族の庇護のもとにいました。


●フェンリルの捕縛
フェンリルがより巨大に、より強大に、より邪悪になっていくに従って、神々の危惧は膨らんでいきました。
あまりに獰猛なため、餌を与えることができるのは、天空の神チュールだけでした。

そこで、神々はフェンリルの捕縛および幽閉を決します。
しかし、どんな鎖、どんなひもを使っても、食い破って逃げてしまい、そのたびに獰猛になっていくので、暗きエルフ(ダークエルフ)たちが、グレイプニルという足枷(鎖とも言われる)を作ります。この足枷は熊の腱、猫の足音、女のあごひげ、魚の息、山の根、鳥の唾からできており、どんな強い力にも耐えうるものでした。

フェンリルはそのもくろみを見破り、この足枷をつけたければ、神のひとりが腕を自分の口の中に入れることだと要求しました。神々はためらいますすが、チュールがその申し出に名乗りを上げました。

果たして、足枷に繋がれると、どんな力をもってしても食い破れないことを知ったフェンリルは、口に入れたチュールの腕を咬み破ります。
しかし、こうしてフェンリルは岩に繋がれ、もはや噛みつくことができないように口へ剣を差し入れられました。


●ラグナロク(神々の黄昏)
しかし、彼がついにその足枷から解放される日がやって来ます。ラグナロク(神々の黄昏)の日です。

彼は自由の身となり、口を大きく開き、スレイプニルに乗ったオーディンごと呑み込んでしまいます。しかし、最後には、オーディンと霜の巨人グリードの息子ヴィーダルがフェンリルを殺し、この恐ろしい狼を退治しました。



●亜種・別名など
フェンリス/フェンリル狼/フローズルスヴィトニル

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