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2014年7月 3日 (木)

ガーゴイルGargoyle

●彫像の怪物
ガーゴイルはガルグイユ、ガルグーユとも称する、彫像の怪物です。
建物の入り口などに立ち、侵入者の存在にじっと目を光らせるその姿は、ゲームや小説などですっかりお馴染みになりました。

彼らほど狡猾な存在はなく、侵入者が来ても、すぐに変身を解くことはなく、過ぎ去った後にこっそり元の怪物の姿へ戻ってゆっくりと忍び寄ります。そのあまりの陰険さに苦労させられたゲームプレイヤーも多いのではないでしょうか。


●中世ヨーロッパのガーゴイル
今でこそこうしたゲームの影響からか、「立像」というイメージの強い存在ではありますが、もともとは鬼瓦などと同じく、建物の隅や雨どいにつけられた魔よけのオブジェでありました。
今でもヨーロッパの古い寺院に行くと、柱頭やレリーフに恐ろしげな怪物の姿を見つけることができますが、それが本来のガーゴイルの姿です。

そもそも、ガーゴイルという名前そのものが「のど」「雨どい」を意味する古代フランス語のガルグイユGargouilleに由来するものです。
さらに遡れば水の噴き出す「ガバガバ」「ゴボゴボ」という擬音語に行き着くことができます。


●ガーゴイルの起源
ガーゴイルは恐ろしい姿をしています。
これについては、かつて古代の神々であったものが怪物、悪魔のたぐいに貶められたのだ。いやいや、豊穣神に仕える精霊としての名残なのだ……などいくつかの説がありますが、元から怪物の姿をしていたのだ、という説が今では有力です。

怪物なのに元から怪物の姿……という言い方も変ですけれど、他の連中がかつて神々や妖精だった時代を持っており、姿についてもそれなりにマトモであったころがあるのに対し、ガーゴイルだけは、とある目的から元々怪物としての外見を求められていた、ということです。

その目的とは、要するに悪魔や悪い精霊を威嚇すること。そして、不信心な人間を脅して信仰心を取り戻させること。
そのために、恐ろしげな風貌が何よりも必要とされておりました。日本の鬼瓦や天の邪鬼(あまのじゃく)などと一緒です。


●ガーゴイルに似た怪物
ところで、なぜレリーフや雨どいの怪物が、その後立像のイメージに変わっていったのでしょうか。恐らくは、ユダヤ教の「ゴーレム」やギリシア神話の「ピグマリオン(ピュグマリオン)」などのイメージが影響しているのではないかと思います。
同じ動かざる石像であり、むやみな侵入者を防ぐ手段という点では同じだからです。

民話や小説による影響も無視できません。本来精霊の一つに過ぎなかったノームが、時代とともに小人(ドワーフ)とされたように、似た属性を持つものが何となしに、あるいは設定の都合上で一緒くたにされるというのは、けっこうよくある話なのです。



●亜種・別名など
リビング・スタチュー/生ける彫像/ビュグマリオン

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