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2014年7月 3日 (木)

ゲイザーGazer

●目玉の怪物
古代より「目」は恐ろしげな印象を与えるものとして、ことあるごとに嫌悪され、忌避され、恐れられてきました。
視線に何か不思議な効果があるという話はよく聞くところですし、おかしな目の持ち主は「邪眼(イビル・アイ)」「やぶにらみ」の持ち主とされてしばしば迫害の対象となりました。
怪物も、やはり人間にあだなす者はたいてい変わった視線の持ち主です。真っ赤な目、瞳のない白い目、一つ目、無数の目、と言ったように……。

ゲイザー(ギャザー)は、そんな「目」に対する恐怖感を怪物という形で表したものです。
多くの場合、巨大な目玉に触手(あるいは手足)がついたような恐ろしい外見をしていて、侵入者を見つけるとぎょろりとその大きな目を向けて、いきなり襲いかかります。ゲームや漫画などでビジュアル化されたその姿に、思わずうっと唸った人もいるのではないでしょうか。

一見して怪物と分かる姿から、しばしばゲームや漫画などの敵役として採用され、今も冒険者たちを襲い続けています。


●ゲーム生まれの怪物
彼らは中世以前の伝承に登場することはほとんどありません。せいぜいエジプトの伝承に「ウジャト(ウジャ)」という目玉型の神が登場するくらい。しかも、それすら実は「太陽(または月)」を神格化したもので、目玉をモデルにしたものではありません。

はっきり目玉をモデルにしたものは、諸説ありますが卓上ゲーム「ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ(D&D)」の「ビホルダーBeholder」が最初であると言われています。このゲームが登場したのは1970年代後半ですから、まだ30年ほどの歴史しかありません。

このビホルダーという呼称は、「ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ(D&D)」以外での使用を禁じられていることから、他のゲームや漫画などでは、便宜上「凝視する者」を意味する「ゲイザー(ギャザー)Gazer」という名前を使い始めています。


●支配主
ゲームの中では、ゲイザーは非常に恐ろしい怪物です。まず、その大きな目玉を使って相手へ強い催眠効果をもたらすことができます。
しばしば、この能力を使ってあらゆる怪物(人間も)を支配下に組み敷くことから、しばしば「支配主」という意味のタイラントTyrantという名前で呼ばれることもあります。

さらに、あらゆる魔法を操り、空中に見えない障壁を作ることができるので、物理攻撃はほとんど効きません。魔法のかかった武器か、あるいは魔法そのもので倒す必要があります。
ほとんどの連中は、一般的なモンスター以上の知能を持ちませんが、中には大変高い知能を持つ者もおり、いずれにしても、性格は邪悪かつ非道であることが多いようです。


●鈴木土下座衛門
余談ではありますが、ゲイザーの異称として一部で有名な「鈴木土下座衛門」の名前は、マンガ「バスタードBASTARD!」(週刊少年ジャンプ連載、のち月刊ウルトラジャンプ連載/萩原一至・作画)に出てきました。

一説には、当時の萩原氏の連載担当者だった鈴木氏が、この怪物を巡って著作権者(当時の輸入総代理店だった新和)に土下座したと言う事件に由来するものだと言われています。
これが本当なのかどうなのかは、当の萩原氏、鈴木氏が沈黙を守っているため闇の中ですが、いずれにしろ、連載時には「ビホルダーBeholder」の名前になっていた部分が、単行本収録時にはそっくり「鈴木土下座衛門」の名前にすり替わっていて、フォルムも球形だったものが、野太い手足の生えた滑稽なものに描き変えられておりました。



■亜種・別名など
ギャザー/ビホルダー/アイ・タイラント(目玉の暴君)/デビルアイ/マッドアイ/ダークアイ/メデューサボール/ゴーゴンボール/鈴木土下座衛門/スカイライン

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