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2014年7月 4日 (金)

ホムンクルスHomunculus

●ホムンクルス
ホムンクルスとは、錬金術によって作り出された人工生命体のことです。その名前の由来はラテン語で「小さい人」を意味するhomullusであり、通常はガラス瓶に入るような、小さな身体をしているとされています。

錬金術は、本来「金」を錬成する学問ですが、その知識をもってすれば、生命を錬成することも可能だと錬金術師たちは考え、実際に作り出そうと試みました。

むろん、キリスト教においては、これは禁忌のきわみたるものでした。
何故なら、人間を作り出すことができるのは神だけであり、人工生命体を作るということは、神の領域に人類が足を踏み入れることにほかならなかったからです。


●ホムンクルスの作り方
ドイツの錬金術師パラケルススによれば、ホムンクルスの作り方は次のようになっているそうです。

まず、人間の精液を蒸留器の中に40日間置いて密閉しておくと、それが腐敗して動くのが目に見えるようになり、人間の形をした、透明でほとんど実体のないようなものができるので、これに人間の血液を毎日与えて、さらに40日間、馬の胎内と同じ温度に置くと、まるで女性から生まれ出たような、小さな人間のようなものが誕生します。
ただ、人間(homo)に較べて小さい身体をしているため、ホムンクルスと呼ばれるとのことです。

実際に、パラケルススがこのホムンクルスを作った、という話もあるようです。ただ、彼の死後、成功した者はひとりもいないと言われています。

こうして作ったホムンクルスは、フラスコの中でしか生きられず、外へ出ることはできません。何故なら、人工的に作られたものは、限定的な場所でしか生きられないからです。

なお、ホムンクルスは生まれながらに知性や技術を身につけており、何でも知っていると言われます。人工的に生命を作り出す考え方から、しばしば「賢者の石」の象徴としてホムンクルスが引き合いに出されることもあります。


●ホムンクルスが登場する作品
こうした、「人間を生み出す」考え方は、ルネサンス期の人びとに驚きをもって迎えられたようで、
過去から現在に至るまで、さまざまな作品にホムンクルスは登場しています。有名な例で言えば、ゲーテの「ファウスト」(第二部第二幕)などが、ホムンクルスの登場する作品です。

また、現代でも、特に日本において、さまざまなゲームやマンガ、アニメの題材になっています。

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