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2014年7月 5日 (土)

子泣き爺Konaki-Jijii

●爺の妖怪
子泣き爺(こなきじじい)は「児啼爺」とも書く、徳島県の妖怪です。水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」で有名になりました。

山間部に棲み、姿は小さな爺さんそのものですが、「ゴギャー、ゴギャー」と子供のような泣き声を出します。

道行く人が、はて捨て子か、可哀想にと拾い上げると、それが赤子ではなく、「爺」の顔であることに気づきます。慌てて放り出そうとしても、しっかりしがみついて離れません。そして、どんどん石のように重くなって、最後には押しつぶされて殺されるということです。

四国にはこのような赤ん坊の形をした妖怪が何種類かあり、そのいずれも、子供の泣き声で人を呼び、背負われた途端に重くなって人をつぶし殺します。
一説には一本足ともいい、子泣き爺が泣くと地震が起こるともされています。

姿がなく泣き声だけで、見つけると「背負うてくれ」と頼む「オギャナキ」というバリエーションもあります。
四国ばかりでなく、海を隔てた岡山県や和歌山県でも、この妖怪の存在が報告されています。


●子泣き婆
四国から遠く離れた津軽(青森県北部)では、「子泣き爺」ならぬ「子泣き婆(こなきばばあ)」の存在が報告されています。

和井内行松という人物が、山で迷っていると、ひとりの老人に出会いました。家に泊まるよう勧めるので、行松はその後をついていきます。

途中、やにわに山道で赤ん坊の泣き声がしました。老人はその赤ん坊を拾い上げると抱えて歩きます。
すると、別の場所でも赤ん坊が泣いているので、行松はそれを拾い上げようとしました。ところが、この赤ん坊の顔はしわくちゃの婆だったのです。
しかも重くて持ち上がりません。老人はそれをひょい、と簡単に持ち上げると、家の釜にその赤ん坊を入れて火をつけます。しばらくしてから釜を開けると、それは立派なカボチャでした。

翌日、老人の案内で山道をようやく抜けると、行松は別れ際に、「昨日食べたあれはカボチャでしょうか」と聞きました。すると、老人は「いや、子泣き婆だよ」と言ったということです。


●子泣き爺の正体
子泣き爺の正体は謎に包まれています。一説に山の精が、人の山道に入るを嫌って化けたものとも言われていますが、はっきりとは分かっていません。

ただ、赤ん坊が拾い上げられた途端に安心して眠りにつき、重さを増すことは充分にあり得ることで、また、赤ん坊の本気で泣く顔はしわくちゃで老人の顔に見えなくもありません。
もしかすると、そのような事例が合わさって、「泣く爺」の伝承に繋がったのかも知れません。



●亜種・別名など
オギャナキ/オギャアナキ/ゴギャナキ/芥子坊主/山赤児(やまあかご)/児泣き/子泣き婆/夜啼き(よなき)

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