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2014年7月 5日 (土)

クラーケンKraken

●巨大な海獣
クラーケンは巨大な海獣です。長さ数キロメートルにも及び、角やひれ、触手などを伸ばして人間の乗る船に襲いかかり、水中へと引きずり込みます。

一般には巨大なタコやイカの姿が知られていますが、他にも大海竜(シー・サーペント)という説、巨大な海老や蟹、ザリガニという説、ヤリイカの群説、クラゲなどの腔腸動物類説、ヒトデなどの棘皮(きょくひ)動物類説、巨大な肉塊などの未知の動物説、など諸説あり、今もその正体はようとしてつかめていません。


●北極海の怪物
クラーケンの名前は、ノルウェー語で「極地」を意味するkrakeに由来します。北極海付近では古くから巨大な海獣の目撃例が後を絶たず、怪物の実在が疑われていました。

ノルウェーのベルゲンの司教で、コペンハーゲン大学の総長代理でもあったエーリク・ポントピダンは、1752年に「ノルウェー博物誌」という本を出版していますが、その中でクラーケンについて詳しく触れています。

それによれば、この怪物は背中または上部に当たる部分の周囲が一マイル半(約2.4キロメートル)もあり、ちょっと見ると海草のように揺れる漂流物に取り込まれた小島に似ていて、海面すれすれに砂州のようなものがあちこちに露出し、さまざまな小魚がその周りを跳ねています。

やがて、角かひれか、水中から無数の突起物が現れ、それはどんどん太くなり、ついには中型帆船のマストぐらいの大きさになります。そして、船を取り込み、大きな渦を作ってその中に引きずり込むのです。

ただ、性質は概しておとなしく、無闇に人間を襲ったりはしないと言います。
浮島のようにその上を歩くこともでき、ミダロスの司教はクラーケンのよりによって真上で、ミサを執り行ったと言います。クラーケンは礼儀正しくミサが終わるのを待つと、ゆっくりと海に消えていきました。

ちなみに、クラーケンには特殊な香気があり、それでエサとなるべき魚をおびき寄せます。
また、排泄物にも同じような香気があって、ノルウェー沿岸によく流れ着く泥状のもの(正体は琥珀)は、この怪物の排泄物だと信じられてきました。


●正体は巨大イカ?
現在、クラーケンはその描写から、全長10メートル以上にもなるダイオウイカのことだと考えられています。
しかし、甲羅や海草のようなヒゲなど、イカにはないものの目撃例も多く、また、ダイオウイカは深海を住処とするので、海面上に姿を現すことはほとんどありません。結局のところ、その正体は謎のままだとされています。
個人的には蜃気楼や流氷、クジラなどの説も挙げたいところです。


●トールキンの怪物
J・R・R・トールキンは、「ホビットの冒険」「指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)」にこの怪物を出現させています。

「中つ国」のウツムノで邪悪なメルコール(モルゴス)によって育てられたクラーケンは、巨大な身体に触角を持ち、地上でも水中でも俊敏に動きます。
その一頭がシランノン川にやってきて、水中に防壁を築き湖として住処としました。そして、偶然そこを通りかかったフロドをはじめとする「指輪の仲間」に襲いかかったとされています。



●亜種・別名など
クラーケ/クラッベン/シュクラケン

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