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2014年7月 6日 (日)

ミミックMimic

●擬態する怪物
ミミックは「擬態をする怪物」です。
擬態とはまったく無関係なものに化けることによって、捕食者の追撃をかわしたり、逆にエサとなる犠牲者を油断させて近づける技術のことです。
実際にある擬態の例として、景色に合わせて身体の色を変えるカメレオンをはじめとして、猛毒のサンゴヘビに化ける無毒のニセサンゴヘビ、アリになりすますアリグモ、枯れ枝になりきるシャクトリムシ、葉っぱそっくりに化けるコノハムシなど知られています。

ミミックも、これらの動物と同じように別の何かに化けますが、彼らの化け方は一風変わっていて、多くの場合宝箱や宝物そのものの形を取ります。

欲深い冒険者たちが何も知らずに近づいてきて、宝箱に手を伸ばす……その瞬間を狙って、ミミックは彼らに襲いかかります。
力も決して強いわけではなく、まともに戦えば怖い相手ではないのですが、相手が完全に油断をしている瞬間を狙うので、非常に効果的な攻撃を加えることができます。


●ゲーム生まれの怪物
ミミックはゲームデザイナーやプレイヤーの完全な遊び心から生まれた怪物です。
冒険者たちが血眼で探そうとする黄金や財宝。それが実は、怪物が化けたものであったとしたら、これほどスリルのあるものはありません。

ゆえに、彼らは確たる伝承も持たず、統一されたイメージも持たない存在でありながら、多くのゲームに採用され、またさまざまなバリエーションを生み出してきました。
そもそも、ミミックという名前からして、「模倣」「擬態」を意味する英語ミミックMimic、もしくはその名詞形ミミクリーMimicryが由来です。

ミミックは大きく2つの種類に分かれます。ひとつは身体そのものが箱や宝石の形をしている擬態タイプ。
もうひとつは普通の箱の中に入り込むヤドカリタイプ。
もちろん主流は擬態タイプですが、近年はヤドカリを採用する向きも多いと聞きます。後者は正体がバレると同時に、慌てて殻を脱ぎ捨てて次の住処を探しに回ります。


●ミミックのバリエーション
現在ではゲーム「ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ(D&D)」やRPG「ドラゴンクエスト」シリーズなどの影響から、ミミックと言えば宝箱のような形をしたタイプが一般的です。

もちろん、宝箱だけでなく、宝石や金貨、武器や防具、ドアやドアノブ、置物、家具に化けるものもいます。
ひどいのになると、家や通路そのものに化けるものもあるそうです。
犠牲者が知らずにその場所へ足を踏み入れ、何かおかしいと気づいたときには既に遅し。哀れ怪物の腹の中に、と言うわけです。

ミミックの中でも、金貨や宝石など、特徴あるものについては「クリーピング・コインCreeping Coin(這い回るコイン)」「リビング・トレジャーLiving Treasure(生きた財宝)」「リビング・ボックスLiving Box(生きた箱)」「踊る宝石」などのように、独自の名前がつけられます。



●亜種・別名など
人食い箱/ミミクリー/ミミクリー・モンスター/リビング・ボックス/リビング・トレジャー/ハプツーン/クリーピング・コイン/ポゼッション

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