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2014年7月 6日 (日)

スキアポデスSciapodes

●大足の種族
スキアポデスはスキアポッド、スキャポデスとも呼ばれる種族です。その姿は人間に似ていますが、足は大きなその一本しかなく、その足で敏速に走ることができます

この種族は1世紀の著述家プリニウスの「博物誌」で紹介され、人口に膾炙(かいしゃ)することとなりました。「博物誌」の記述を引用すると、彼らはモノコリと呼ばれ、暑い季節には仰向けに寝てその足をかざし、巧みに日よけをすると言います。
プリニウスは彼らをインドに棲む種族としていますが、一説にはリビア(現在の北アフリカ)に棲むとも言われています。


●「インド誌」のスキアポデス
この種族が考えられたのは古く、紀元前のクテシアスの「インド誌」にその存在が記述されています。
当時のインドにはさまざまな怪種族が存在していたと考えられ、「インド誌」には荒唐無稽な種族がこれとばかりにたくさん紹介されています。代表的なものとしては、犬の頭を持つキュノケファルス、極端に背の低い小人種族ピュグマイオイなどがいます。

ちなみに、中国の怪物書とも言うべき「山海経」にもスキアポデスのような怪物の挿絵が描かれています。

面白いことに、彼らは固形物を食べず、いつも持っている果物の匂いを吸って生きていると考えられました。そのため、果物がしなびて匂いを発しなくなると、スキアポデスも死んでしまうと言われています。


●スキアポデスのバリエーション
スキアポデスは後世に入ると、さまざまなバリエーションが考えられるようになります。
たとえば足に水かきがついていたり、普通の人間のような二本足、さらには四本足の持ち主で、そのひとつが巨大な足になっているというものまで登場します。
イングランドのデニングトンの教会には、二本足の他にひとつの大きな足を持つスキアポデスの像が彫られた長椅子が存在します。

ちなみに、ローマ法王の書簡を持って中国(元)におもむいたフランチェスコ会の宣教師ジョヴァンニ・ダ・マリニョリは、著書「ボヘミア年代記」の中で、スキアポデスなどのような怪種族はすべて空想の産物であり、インドでは日傘が発達したからそのような種族が考えられたのだ、と一蹴しています。



●亜種・別名など
スキアポッド/スキャポデス

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