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2014年7月 6日 (日)

シーホース(海馬)Seahorse

●海神を曳く馬
シーホース(海馬)は、ギリシア語でヒッポカンプス(海の怪物の馬)とも呼ばれます。
この怪物は、古代メソポタミアやギリシア、インドなど、馬が存在した文明には必ずと言っていいほど登場する存在で、その姿も馬そのものとか、魚の尾が生えた馬などとか、千差万別です。

ギリシア神話では、魚の尾の生えた馬であるとし、ポセイドンの馬車を曳く存在として登場します。
最初は神々の乗り物としての役割を果たしたものの、後年になると人を襲う、邪悪な存在として描かれるようになります。


●海馬の目撃例
スイスの博物学者コンラート・ゲスナーのように、「シーホースなど神話時代の動物だ」と切り捨てる向きがあったことは事実ですが、しばしば、旅行記などに「シーホースを見た」という目撃例が現れたのもまた事実です。

博物学者オラウス・マグヌスは「北方民族文化誌」の中で、ブリタニア(ブリテン島)とノルウェーの間に登場するシーホースを紹介しています。
それによれば、「馬のような頭を持ち、馬のようにいななくが、足と蹄(ひづめ)は牛のようであり、魚のように二叉に分かれた尾を持っている」という姿をしているそうです。

また、陸でも海でも、しばしば餌を求めて出現することがあるということですが、捕まえられることは滅多にない、ともされています。


●「千夜一夜物語」のシーホース
千夜一夜物語の「シンドバッドの冒険」には、シーホースの話が出てきます。
それによれば、毎月新月の夜に、まだ牡馬と交わったことのない牝馬を海岸に繋いでおくと、シーホースがその匂いをかぎつけてやってくるというというのです。

このシーホースが牝馬と交わると、地上ではひと目することのできない立派な馬が生まれるとされています。


●ヨーロッパの紋章
ヨーロッパの紋章には、このシーホースがしばしばモチーフとして用いられました。
しかし、その姿は神話時代のものとはかけ離れており、馬の頭と胴体は一緒ですが、魚の背びれに煮たたてがみ、水かきのついた前足、魚の尾びれを持ち、中にはトビウオのような翼が生えているものもあると言います。



●亜種・別名など
ヒッポカンプス/ヒッポカムプス

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