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2014年7月 6日 (日)

ワイルド・マンWild Man

●中世ヨーロッパの「野蛮人」
ワイルド・マンはフランスの中世伝承に登場する「野蛮人」の名前です。
その名の通り、自然の中に生き、手には「野生」の象徴である棍棒を持ち、全身は毛むくじゃらです。

フランス語ではオム・ソバージュHomme sauvage、イタリア語ではウォーモ・セルバティコUomo selvatico、ドイツ語ではヴィルダー・マンWilder Mannと呼ばれますが、意味は「野生の人びと」で共通しています。

とある伝承によれば、深い森の中に棲み、人語を解さず、毛深く、怪力を持つとされています。
一説には、アジア・アフリカに棲む類人猿の存在が曲解されてヨーロッパに伝わったものだと言われていますが、キリスト教外の人びとを象徴するものだとする研究者もいるようです。

ワイルド・マンの存在は中世を通じて人びとの人口に膾炙(かいしゃ)し、宮廷ではワイルド・マンの格好をした人間が参加者を驚かす趣向が凝らされました。
さらに、ドイツやスイスなどでは、祭の仮装行列の中にワイルド・マンの格好をした人間がまぎれ込むことがあり、今でもバーゼルの祭などでは、行列の中にワイルド・マンの存在を認めることができます。

中世の紋章や寓意図にもワイルド・マンは登場し、特に盾を支えるワイルド・マンの紋章は「友軍」の象徴として認識されていたようです。



●亜種・別名など
オム・ソバージュ/ウォーモ・セルバティコ/ヴィルダー・マン

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