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2014年7月 6日 (日)

ワームWorm

●イングランドのドラゴン
ワームはイングランドのドラゴンの名前です。
その名は中世ノルウェー語で「蛇」ないし「ドラゴン」を意味する言葉から来ているとも言われますが、はっきりとは分かっていません。
主にヴァイキングが住んでいたイギリス北部・東部地方でその実在が信じられました。

その名前からも想像できるように、ドラゴンとは言っても、無翼、無肢の蛇のような身体をしています。
時に角を持っていたり、目や牙が突き出ていたりするものもあるようです。
口からは炎や悪臭を放ち、身体を斬られてもすぐに元通りになる性質を持っています。あるいは、槍をも受け付けない硬い鱗に覆われているという説もあります。


●邪悪なドラゴン
ワームの性質は邪悪で、常に悪意を持っています。
驚くべきスピードで動くことができますが、他のドラゴンにあるような超自然的な力はほとんどありません。英雄にいともあっさりに退治されるのは、たいていこのワームです。

普段は悪臭を放つ沼地やじめじめした湿地に棲み、通りがかる者を襲って呑み込もうとします。また、湖や川、海へ棲む者もあるようです。


●ラムトンのワーム
ワーム伝説の中で有名なのは、「ラムトン(ランプトン)のワーム」と呼ばれるものでしょう。

ある日、ラムトンという若い郷士が、川で釣りをしていたところ、小さく奇妙で、手も足もない、不思議な虫のものを捕まえました。
「何だこれは?」と思いましたが、大したもののように思えません。若者は無造作に、その辺の井戸へ投げ捨てました。

やがて若者は成長し、十字軍遠征に参加します。戦い終えて故郷に帰って見たものは、あの奇妙な虫がワームとなって巨大化し、周辺の村々や家畜を襲い、暴れ回っている姿でした。
「これは放っておけない」と、ラムトンはワーム退治を決意します。

いざ剣を構えてワームに斬りつけますが、そのそばから、ワームの傷がみるみるうちに治ってゆきます。
これは一筋縄ではいかない、と悟ったラムトンは、魔女の助言から、はりねずみのような刃をつけた鎖かたびらを作らせます。そして、それを着てワームの棲む川へと向かいます。

角笛を吹くと、ワームはすぐさま襲ってきました。そして、若者をその身体で縛り上げようとします。
ところが、全身につけられた刃によって、ワームの身体は逆に切り刻まれてしまいました。やがてワームは自己修復能力を発揮することができず、死んでしまいます。



●亜種・別名など
ウィーウイルメック/ワルム/オルム/キチ・アトハシス/ストールワーム/ペイスト/ミズガルズオルム/ラムトンのワーム/リンドオルム/リントンのウォード・ワーム/レイドリー・ワーム/ローズリー・ワーム

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